いわき市の文化財-010/239page

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国指定重要文化財(絵画)

絹本著色阿弥陀三尊像(けんぽんちゃくしょくあみださんぞんぞう) 一幅

絹本著色阿弥陀三尊像

指定 大正四年三月二十六日
所在地 東京国立博物館寄託中
所有者 いわき市

鎌倉時代後期(一三世紀)
総縦 三二三.五p、総横 一六六.八p
本地縦 二四三p、本地横 一四二p

本図は阿弥陀三尊の立像来迎図(らいごうず)で、阿弥陀如来は画面の中央に少し横向きで踏割蓮台(ふみわりれんだい)に立っている。その前方右の観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は腰をかがめて蓮台をささげている。左の勢至菩薩(せいしぼさつ)も少し腰をかがめて合掌している。両菩薩は踏割蓮台に立ち、本尊とともに雲に乗って往生者の所へ降りて来る様子を示している。

三尊ともに皆金色像である。画面の虚空部(こくうぶ)は群青(ぐんじょう)を塗り、三尊の肉身は金泥地に朱墨の肉線を描き起こし、口唇に朱、頭髪や眉には群青、衲衣(のうえ)は金泥地に截金(きりがね)文様を加えている。

脇侍(わきじ)の瓔烙(ようらく)は群青と緑青(ろくしょう)で玉飾りをあらわし、宝冠部は裏箔を押して墨線で細部を描く。踏割蓮台は緑青地で、その輪郭と蓮弁(れんべん)に截金を用いている。飛雲は胡粉地(ごふんち)に墨線の縁どりを加えている。

本図は皆金色の薄い目の彩法で、各部に施される紗綾(さや)形や七宝(しっぽう)をはじめとする文様の描写からみて、鎌倉時代後期の作と思われる。来迎図の中では異例の大幅で堂々たる風格を持ち、保存も良好である。

また絹地が一幅一鋪の雄大な絹幅であることなどからも資料的価値が注目される。本図は大国魂神社の神主であった山名行阿が如来寺に寄進し、伝来してきたものである。

また明治四十三年本図修理の際に、割軸中(わりじゅくちゅう)から次のような以前の修理の銘が発見された。

  応仁二年戊子八月十五日修複之俊雅
  細工師乗仙客僧
  天文六年辛亥十月晦日細工師京都人廣田与十郎法名全高
  奥州岩城矢野目如来寺十二代良璋本願敬白


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